あらゆる世代にウケるネタを作る方法 

漫才の作り方

不特定多数の人に向けて(例えば学校に出向いて、特定の年代の人にしかやらない漫才とかではなくて)ネタをやるのであれば、どんな世代にも刺さるネタを作りたいと思うのは自然なことです。

しかしそれはめっちゃ難しい……

ということで今回は、あらゆる世代に刺さりやすいネタの作り方、そして”万人受け”を狙うことのリスクについて考えてみたいと思います。

色々な世代にウケる漫才の素晴らしい例として、24年M-1で令和ロマンが1本目に披露した「名字」というネタを振り返ってみたいと思います。

ご覧になった方も多いのではないかと思いますが、「ワタナベという名字が最強説」という内容のしゃべくり漫才でした。

そろそろ結婚して子供なんか欲しいね~、という導入は定番中の定番ではありましたが、そこからありそうでなかったような展開に、漫才はシフトしていきます。

令和ロマンの公式YouTubeにも、同じネタの完全版がアップされておりますので、まだの方は是非見てください。

学校の席順で、大体ワタナベさんは一番後ろの端っこだから、様々なメリットを享受していてお得である。だからワタナベが最強なんだ!というネタになっています。

いわば「学校あるある」という括りにも出来そうなネタではありますが、ありそうでなかった切り口のボケが多く、最初から最後まで爆笑の連続でした。

このネタの凄さは、特定の世代を対象にしておらず、日本の学校に通った経験があれば、老若男女誰でも共感できるところです。そしてM-1の視聴者の圧倒的多数は日本の学校を出ているでしょうから、誰もが「あるある!」と笑えるのです。

では、誰もが子供の頃に経験したことのあるような題材をネタにすれば、万人受けするネタは簡単にできるのでしょうか?

実際はそんなに甘くないでしょう。「みんなが知っている話題」と「みんなが笑えるネタ」には大きな壁があるのです。

その壁を突破するためには、共感だけでなく、ネタの切り口の斬新さが求められます。

前年王者が挑むという高いハードルがありながら、そういった壁を見事に乗り越えていった令和ロマンの凄まじさを感じるネタでした。

かと言って、誰もが万人受けするネタを作らなくてはいけないわけでは勿論ありません。敢えてマニアックな話題を追求することで面白さが生まれる場合もあるでしょう。

ただ、特定の世代やグループを対象にしたようなネタの場合、蚊帳の外の人たちには全くウケないという懸念があります。例えば次のようなネタの場合、理解されないかもしれないという覚悟を持たなくてはなりません。

①かつて流行った歌のメロディを取り入れたようなネタだが、最近の若者には知名度がない
→その歌が流行った当時に聞いていない世代にはウケづらい

②野球に関するネタだが、野球のルールが分かっていないと伝わりづらい
→野球に興味がないグループにはウケづらい

③男性は馴染みのない化粧品や美容グッズなどの名称が説明なしに沢山出てくる
→女性目線のネタを意識しすぎて、男性が置いてけぼりになってしまっている

いずれも、「そんなの言われなくても分かるよ!」という事かも知れませんが、自分が好きだったり趣味の範囲だったりする話題というのは、一般的な知名度がどれくらいなものなのかを意外と客観視できなかったりします。

歴代のM-1の決勝ネタの中でも、予備知識が要らずに誰でも楽しめる漫才がやはり強い傾向があります。

だからと言って、マニアックなジャンルのネタを諦める必要はなく、工夫次第で誰もが笑えるネタに昇華できる余地はあるのです。その工夫方法については、コチラを参考にしてください。

という事で、今回は漫才のテーマ選びで考えておきたい内容を紹介いたしました。

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