どんなキャラクターとして見られたいかを意識する

漫才の作り方

しゃべくり漫才を作ってみようと思った場合、自分たちがお客さんから見てどんなキャラクターとして見られたいのかを意識すると良いでしょう。
よく、お笑いとは「緊張と緩和」と表現されることがあります。「どうなる?どうなる?」と次の展開が読めないような緊張感を感じさせ、「もうこれ以上無理!」というところで一気に緩和(ボケ)を入れることで笑いが起きやすいという理屈です。もちろん、これが上手くいくに越したことはないのですが、「緊張」とは、言い換えれば「敢えて笑いを作らない我慢の時間帯」。爆発的な「緩和」のために粘り続けられるのはアマチュアには至難の業だと思います。「緩和」がうまくいって、大爆笑を生むことができれば最高なのですが、失敗すればお客さんからしてみればただの苦痛な時間が続くだけです。
本来の意味合いでの「緊張と緩和」とは少しズレるかもしれませんが、初見のコンビを見るお客さんからしてみると、「こいつらどんなネタやるんだ?どんなキャラなんだ?どっちがボケなんだ?ツッコミなんだ?」などと色々な事をお客さんに考えさせてしまう時間は、ただただ緊張が続くことになってしまいます。とくにネタ時間の短いM-1だと猶更ですが、しゃべくり漫才をやる場合、「どんなコンビなのか?」というのを1秒でも早くお客さんに理解してもらうかどうかというのは死活問題なのです。
コント漫才であれば、その心配は若干和らぐでしょう。コント漫才の場合は、コントパートに入ってさえしまえば、作られた「役」を演じることになるので、「漫才師のその人自身」というよりかは「どんな印象的なキャラでコントができるのか」ということが重要になっていくからです。
しかしながら、しゃべくり漫才の場合は、基本的に最後まで「その人自身」での会話が続きます。ですので予め「どんなキャラクターとして見られたいか?」というのを念頭に置くと良いのです。
注意していただきたいのは、「キャラクター=素の自分」である必要は必ずしもないこと。普段の人となりをそのまま出して、それが唯一無二のネタにつながればそれに越したことはもちろんありません。しかし、そのようなユニークなキャラクターを普段から持っている人の方が珍しいでしょう。
なので、大事なのは「自分なりにどんなキャラで見られたいか事前に決めておく」ということです。無理して印象的なキャラをでっちあげる必要はありません。やりすぎは逆効果の場合もあります。
初見のお客さんの視点で考えてみた時に、例えば「ああ、このコンビのボケは非常識で無礼な感じのボケを連発するキャラね」みたいな印象を素早く植え付けることができればどうでしょうか?すんなりネタに入っていきやすいですし、笑いをとれるチャンスも多いと思います。ですので、しゃべくり漫才に挑戦する場合は、「初見のお客さんからどんな人に見られたいか?」というのを念頭に置いてみてください。

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